挿管チューブの種類とその適応
気管挿管に伴う咽頭展開は麻酔科医が行う中で侵襲が最も高い操作のひとつです。ラリンジアルマスクの普及や各種挿管器具の開発が進んでいるため、将来はなくなる手技かもしれませんが気管チューブには手術に合わせて様々な種類のものがあります。
挿管とは?挿管の種類についてはこちら
・スパイラル(らせん入り):キンク(気管内で閉塞すること)しにくいのが特徴
・RAE
適応:アデレク・口唇裂・口蓋裂・眼科
主に口や眼科手術で挿管チューブが邪魔にならないようにくねっと曲がっています。
挿管すると口から出てすぐのところでチューブが足側に曲がるように作られています。
・経鼻挿管用Polar tube
適応:口腔内手術
口腔内の手術をする際にチューブを鼻から挿入し手術の邪魔にならないように挿管のできるチューブです。挿管の際鼻出血を起こさないようボスミンを使ったり操作時にマギール鉗子を用います(下図)。
鼻の通りの良いほうに挿入するので左右の鼻の穴の大きな方が更に押し広げられます。ギエピー
・MLT
適応:ラリンゴマイクロサージェリーのどの手術のためチューブの径が細い
・レーザーフレックス
適応:レーザー使用の手術
チューブ外装は、保水性のスポンジ(Merocel)で覆われており、レーザーのエネルギーを吸収します。
・ブロンコキャス・ユニベント
適応:肺切除などの分離肺換気が必要な手術
画像のようにカフが上下2つついており、上のカフは気管で下のカフは左右の主気管支で固定されます。挿入する際は気管支鏡を用いて行います。画像では見えませんが上と下のカフのすぐ下にはチューブにふたつの開放部が作られており必要時に片肺を収縮させたりどちらの肺も換気させたりすることができます。