手の外科:麻酔,ターニケットとは?
麻酔
手の外科で使う麻酔には主にキシロカイン(lidcaine),アナペイン(Rapivacaine)が使われます。この2つの薬は発現時間(薬が効き始める時間)と持続時間が異なり手術時間などと合わせて麻酔を使い分けていきます。
1) 発現時間と作用時間
発現時間(~5m),作用時間(1~2h)
2) 極量(Maximum dose:使用できる最大量のことです)
4.5mg/kg
⇒60kgで1%キシロカインを使用した場合…27ml
⇒40kgで1%キシロカインを使用した場合…18ml
それ以上で使用する場合はエピネフリン添加を使うなど。毛細血管の集まる手指には基本的に禁忌。
3) 副作用
重要なものとしてcardiac effects
心筋の自動能を抑制する。徐脈性不整脈に気を付ける。
アナペイン
1) 作用時間と発現時間
発現時間(0.5h),作用時間(3~9h)
2) 極量
伝達麻酔では300mg(成人)を目標とする。
7.5%アナペインで40ml
3)副作用
血圧低下、呼吸抑制
ターニケット
ターニケットとはシリコンリングの圧迫によって四肢の血管を末端から近位へ順に圧迫をし術野への血流を抑制または遮断する機械です。
手術で用いるときは末端から近位へエスマルヒというゴム状の帯を巻いて脱血をした後ターニケットを起動させます。
推奨されるターニケット圧(mHg)=患者の収縮喫血圧(mHg)+推奨加算圧です。
成人上肢 |
150mHg |
成人下腿 |
150mHg |
成人下肢 |
200mHg |
成人下肢(大) |
200mHg |
乳児(120mHg) |
小児(150mHg) |