手術室の勉強会

自分の覚え書き。手術室で必要なアレコレと漫画をかくよ。

電気メスの種類、モノポーラとバイポーラの違い

◇モノポーラ

 

電流は二つの電極間の患者の体を流れる。

・患者は電気回路の一部となり電流の通り道は予測できない。

・高電圧 凝固3000-9000V 切開 1350-4000V 高電圧であると火花が発生する。

・電流・電圧を変化させることで凝固・切開を行う。

・容量結合*・直接結合*・火災などのリスクがある。

*容量結合:コンデンサ (電気容量をもつ装置) によって2つの回路が結合していること。抵抗増幅器において段間をコンデンサによって結合することで,これを結合コンデンサと呼ぶ。信号の直流成分は伝わらず,交流成分のみが伝達される。

 

 

切開

火花で細胞が蒸気爆発を起こす。

1400~2000V,連続波形

 

凝固

火花で凝固,炭化させる。

高電圧(3000~10000V),断続波形

 

バイポーラ

相極間のみに流れる。

・アクティブ・リターン電極の両方が術野にある。電流は2つの電極に挟まれた組織の間のみに流れる。

・対極板は不要。

・モノポーラと比較して低電圧(200V以下)の正弦波形を使用する。

・電流によりジュール熱を発生させるが火花が発生せず組織の凝固を行う。

・組織が乾燥し、抵抗値が上がると組織抵抗の低い電極の外側に電流/熱が拡がる。

 

電気の通過によってジュール熱でのみ凝固。火花は出ない。低電圧,連続波形。

原理:電気エネルギーで組織変性

適用:massiveな切離,クリップや結紮の代わり。(ブレードは太い、細かい操作は困難)

先端までカッターが走らない。