手術室の勉強会

自分の覚え書き。手術室で必要なアレコレと漫画をかくよ。

滅菌方法の種類:高圧蒸気滅菌(オートクレーブ編)

高圧蒸気滅菌とは?


 別名オートクレーブとも呼ばれます。簡単に言いますと一定の温度と圧力の飽和水蒸気で加熱することで微生物のタンパク質を編成させ微生物を殺滅する方法です。
 適応として鋼製小物、繊維製品、ガラス製品、プラスチック(一部)、ゴム製品(一部)、液体(専用の装置による)があります。


 この方法は世界的に最も多く用いられている滅菌法で安全性や操作性が高く、何より残留毒性がありません。また、短期間で芽胞に対しても効果が確実であり、経済的で適用範囲も広いため高温・高湿・高圧に耐え得る機材であれば最も安全で確実な方法だと言えます。

 
 この滅菌に使われる高圧蒸気滅菌機は、労働安全衛生法のボイラー及び圧力容器安全規則に基づく管理が必要です。
 
滅菌をするために微生物学的に確立された温度と時間の組み合わせがあり、滅菌する物の表面が下記の条件で達成される必要があります。

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適切に滅菌されるためには滅菌効果を実際に検証し、確実にこの条件で滅菌されていることを確認する必要があり、日常的に実施されなくてはなりません。
滅菌ができた(滅菌条件が達成された)か、どうかを確認するための方法として物理的インジケーター(PI)、化学的インジケーターお(CI)よび生物学的インジケーター(BI)があり、これらを組み合わせて使用し無菌性を保証しています。高圧蒸気滅菌で使われるBIはこの滅菌方法に対して最も強い抵抗性を示す細胞芽胞(Geobacillus stearothermophiluus ATCC7953等)を指標菌にしており、滅菌工程が終わったのち培養され死滅を確認しています。