手術室の勉強会

自分の覚え書き。手術室で必要なアレコレと漫画をかくよ。

ダヴィンチ(Da Vinci)手術とは、基礎中の基礎から

 Da Vinci手術はロボット支援下内視鏡手術と呼ばれています。

 内視鏡を用いて切除、剥離、縫合、結紮、止血、洗浄、ドレナージなどの外科的手術を行うことを内視鏡手術と言います。日本では1990年に初めて腹腔鏡下胆嚢摘出術が行われて以来、低侵襲手術として急速に発達していました。しかしこの方法での手術の限界が明らかになりロボット支援による遠隔操作(テレプレゼンス)の技術が登場します。ロボットを組み合わせることで内視鏡化手術の限界を克服するために開発がされたのです。Da Vinchiの原型は1980年後半に米国陸軍と旧スタンフォード研究所で開発され、2000年には一般的な腹腔鏡下手術を適応とする初のロボット支援下手術システムとして、FDAにより認可されました。日本では2014年7月から販売され、現在は183台が導入されています。

da Vinciについて | インテュイティブサージカル合同会社 - ダヴィンチ サージカル システム

 

 

今までは既存の腹腔鏡手術に優越していた技術であるとして、前立腺がん、腎がんの二つのみでの手術に保険適用されてきましたが、他の保険適用されていないロボット手術については、既存技術と比較した優越性についての科学的根拠を示すことが困難な状況にあったため保険適用されてきませんでした。 しかし、平成30年度診療報酬改定では、既存の腹腔鏡手術と同等程度の有効性・安全性 があるとされたものについては、当該技術と同じ診療報酬点数で保険適用されるようになりました。

f:id:scrubnurse:20191226180956j:plain

https://www.mhlw.go.jp/content/12404000/000517304.pdf

 

 ただ、今までの既存の腹腔鏡手術と同じ診療報酬点数しかとれないということは使用回数に制限のあるエンドリストや単回使用機材等をDaVinciではより多く使うため、今までよりも手術自体にお金がかかることになります。